海と空の宿る瞳 ソフィア・ナッシュ
2009.12.11 *Fri
著者の初邦訳となるリージェンシーロマンスです。

ラズベリーブックス 2009.06
ヒロイン:ロザムンデ・ラングドン(25ぐらい) トゥウェンリン伯爵令嬢
ヒーロー:リュック・セント・オーバン(30半ば) 第8代ヘルストン公爵
父親に溺愛されて育ったロザムンデは、片思いをしていたヘルストン公爵家の跡継ぎヘンリーとの間にあらぬ醜聞が広まってしまい、父親と公爵の手によってヘンリーを無理矢理結婚させられそうになる。だがヘンリーには他に愛する人がいることを知っていたロザムンデは、タイミングよく求婚をしてきた地主の男性と駆け落ちをしてしまうのだった。しかし待っていたのはつらい結婚生活と社交界からつまはじきにされるという現実だった。8年後、夫の死によって不幸な結婚生活に終止符が打たれたが、父親から勘当され行き先のないロザムンデは妹とともにヘルストン公爵未亡人が主催している未亡人クラブの招待を受けることに。そこで出会ったのは亡くなったヘンリーの弟で“炎と氷の悪魔”という異名をもつ現公爵のリュックだった。
面白かったです。ただなんというか微妙につかみどころのないような読み心地でしたね。もっと面白くもなりそうであと一歩何か足りないような、いやでも充分面白いような・・・?
読む前はタイトルと、キラキラ輝く大海原というなんとも爽やかな表紙の雰囲気で、もっとずっと明るい話なんだろうなと思っていたのですが、これがまた予想に反してとても重苦しいせつない話でありました。
最初のうちは、ウィットに飛んで知的(らしい)会話のやりとりがどうも引っかかってしまって、話の筋自体は面白いのになぜか言葉が頭に入ってこず中々読み進められなかったのですが、中盤くらいからようやく文体に慣れたのか、読んでいても引っかかることもさほどなくなって、あとはいっき読みでした。
まだ無邪気で無謀すぎた若い頃のちょっとした過ちから、一気に人生があらぬ方向に転がっていってしまったことに静かに耐えていたヒロインの姿がいたたまれなかったですね。心に深い孤独と傷を抱え、誰とも分かち合えないようなつらい感情を抱えている二人だけに、お互いへの思いやる態度はせつなくも温かく、大人の恋の雰囲気でした。
途中は涙なくしては読めないような箇所もあったり、驚きの事実が明らかになったりしたのですが、つらい経験を乗り越えて訪れた温かなハッピーエンドはよかったです。
各章の冒頭に添えられている、アンブローズ・ビアス「悪魔の辞典」の銘文が皮肉たっぷりでとても興味深かったです。





ヒロイン:ロザムンデ・ラングドン(25ぐらい) トゥウェンリン伯爵令嬢
ヒーロー:リュック・セント・オーバン(30半ば) 第8代ヘルストン公爵
父親に溺愛されて育ったロザムンデは、片思いをしていたヘルストン公爵家の跡継ぎヘンリーとの間にあらぬ醜聞が広まってしまい、父親と公爵の手によってヘンリーを無理矢理結婚させられそうになる。だがヘンリーには他に愛する人がいることを知っていたロザムンデは、タイミングよく求婚をしてきた地主の男性と駆け落ちをしてしまうのだった。しかし待っていたのはつらい結婚生活と社交界からつまはじきにされるという現実だった。8年後、夫の死によって不幸な結婚生活に終止符が打たれたが、父親から勘当され行き先のないロザムンデは妹とともにヘルストン公爵未亡人が主催している未亡人クラブの招待を受けることに。そこで出会ったのは亡くなったヘンリーの弟で“炎と氷の悪魔”という異名をもつ現公爵のリュックだった。
面白かったです。ただなんというか微妙につかみどころのないような読み心地でしたね。もっと面白くもなりそうであと一歩何か足りないような、いやでも充分面白いような・・・?
読む前はタイトルと、キラキラ輝く大海原というなんとも爽やかな表紙の雰囲気で、もっとずっと明るい話なんだろうなと思っていたのですが、これがまた予想に反してとても重苦しいせつない話でありました。
最初のうちは、ウィットに飛んで知的(らしい)会話のやりとりがどうも引っかかってしまって、話の筋自体は面白いのになぜか言葉が頭に入ってこず中々読み進められなかったのですが、中盤くらいからようやく文体に慣れたのか、読んでいても引っかかることもさほどなくなって、あとはいっき読みでした。
まだ無邪気で無謀すぎた若い頃のちょっとした過ちから、一気に人生があらぬ方向に転がっていってしまったことに静かに耐えていたヒロインの姿がいたたまれなかったですね。心に深い孤独と傷を抱え、誰とも分かち合えないようなつらい感情を抱えている二人だけに、お互いへの思いやる態度はせつなくも温かく、大人の恋の雰囲気でした。
途中は涙なくしては読めないような箇所もあったり、驚きの事実が明らかになったりしたのですが、つらい経験を乗り越えて訪れた温かなハッピーエンドはよかったです。
各章の冒頭に添えられている、アンブローズ・ビアス「悪魔の辞典」の銘文が皮肉たっぷりでとても興味深かったです。




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